キジョーのクーロン
- Day:2010.03.12 01:53
- Cat:プロダクト
向かった先はさすらいの家具職人片岡氏率いるCONSENTfurniture。
>>>CONSENTfurniture
やったらめったらサーブを打つ僕に、さらっとリターンを返してくる希有な存在である。

持ち込んだ1/1図面をもとにサイズとディティールを詰めていく。
実際に脚のパーツを削りだしてもらいリアルに検証する。
やはり紙の上と実物ではまるで違う。
立体は立体で考えるべきだ。
慎重に、柔軟に、ひとつの点を探していくことの、このなんという充足かは、ものを作ることを生業とした者の特権である。
密度の濃い2時間半を過ごし、素晴らしいものが生まれそうな予感の芽を摘み岐阜へ帰路をとる。
ベートーヴェンの6番をながしながら、走るバイパスに夕闇が迫ってきた。
彼が誰だかわからない、一日で一番あいまいな時間。

すぐ前方を走るトラックには「苺」の一文字。
タンクの中にはあまずっぱいイチゴがぎゅうぎゅうに詰まっていて
ぎゅっと閉め忘れたコックからは、ころん、ころん、と
滴るように一粒づつイチゴが転がり落ちている。
それは屋根のない僕の車に吸い込まれるように飛び込んで、
実に都合良く僕の口の中へパクリと収まるんだ。
いい仕事をしたあとは、妄想もやっぱりポジティブなのである。
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